ーーー校長室にてーーー

校長「君、頼んだよ」
少女「はい!」
ーーー放課後ーーー

少女「私って卒業生総代なのですわ~♪」
彼女はとても上機嫌であった。
なぜなら、来月行われる卒業式の総代に選ばれたからである。
彼女は上機嫌で「卒業生総代」という曲を15回歌い満足した後、カラオケボックスを後にした。
少女「会計お願いします~♪」

店員「はい、卒業生総代様、1名でよろしかったでしょうか?」
少女「ですわ~♪」
彼女は1時間コース1000円を支払い、店を出た。

彼女が上機嫌で歩いていると、突然、雨が降り始めた。

彼女は雨空を見上げると、空に向かって叫んだ
少女「私が卒業生総代だぞー!」
そういうと、雨は止み、雨雲は瞬く間に吹き飛びました。
彼女はルンルンな歩調で歩き始めます。

街中でニュースの生中継をしているアナウンサーを見つけました。
少女はアナウンサーからマイクを取り、カメラに向かい、こう言います。
「私が、卒業生★総代なのです!」

ネット上では、総代少女の話題で持ちきりでした。
某ニュースサイトのトップも飾りました。
少女の空には、毎日虹がかかっていました。

しかし、卒業式が差し迫ったある日、少女は異変に気付きます。
休み時間に多くの人が発声練習をしていたのです。

少女は、驚愕の事実を知らされます。
卒業生全員が卒業生総代を任されていたのです。
少女は現実を受け入れきれず、クラス全員に質問攻めします。
少女「あなたも総代?」

同級生A「ええ」
少女「あなたも総代?」

同級生B「あます」
どうやら、近年の学校では、保護者からの苦情もあって、全員が総代をするそうだ。
校長先生は、わざわざ生徒一人ひとりを呼び出して、君が総代であると全員に言っていたこともわかった。

少女は、総代が自分一人でないことに対し、お気に入りのリボンを口に咥え、不満を露わにした。
かくして、卒業生総代トーナメントが始まったのである。
めでたし めでたし