あらすじ
京子は大学生。 新聞を読んでいる際、偶然ピラミッドの調査員を募集している記事を見つける。 夏休みで暇を持て余していた京子は、ピラミッドへの神秘的な魅力につられ、即座に応募することにした。 途中色々あったが、京子は無事ピラミッドに到着したのである。
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第二章

京子は、いかにも第一級の調査員に見える、バイト調査員の後をついていく。
5分程草を掻き分けながら進んだところに、三角錐の建物らしき物体があった。

京子「ピラミッドですわ!」
そういって、ピラミッドに駆け寄った。
ここで、京子はあることに気づく。
ピラミッドが近辺に乱立していたのである。




京子「ピラミッドって、タケノコのようにその辺に沢山あるのね」
京子はそういいながら、バイト調査員とともに最初に見つけたピラミッドの中に入った。

京子「わくわく」
京子は興奮していた。
ピラミッドに入って2分程して、京子は迷子になった。

京子は、周囲の珍しい置物に見惚れて、バイト調査員とはぐれたのである。
京子「これは大問題だ」
これは大問題です。
そう言いながら、京子は歩き続けた。
京子はオブジェを見つけた。

京子「なんか凄い現代風だな~」
そう言いながら、さらに奥へ進む。
すると、再びオブジェを見つけた。

京子「あれ? さっきの像もこの像も、私に似てる!」
確かに、京子に酷似している。
京子「ここにもある! あっちにもある!」



なんと、見つけた像すべてが京子と同じ顔と背格好であった。
京子「これは、どういうこと?」
京子にはわけがわからなかった。
京子は像がある方向に何も考えず進んでいった。
すると、ドアを見つけた。

京子「このドアも現代的だな~」ガチャ
京子は躊躇なくドアを開けた。

京子「???」
京子「家じゃん!」
さらに京子は、その先のドアを開けた。
そこには、京子の姉が立っていた。

姉「おかえり、早かったわね」
京子「おおおおおおおお姉ちゃん!」
どういうわけか、ピラミッドの内部は、姉の部屋のクローゼットと繋がっていたらしい。
姉「ピラミッド沢山あったでしょ? あれ、わたしが卒業制作で頑張ったの」
京子「そういえば、お姉ちゃんしばらく海外留学に行ってたような」
話を聞くと、スフィンクスの隣にあるピラミッドを除き、姉が制作したらしい。
ピラミッド内部にあった京子像は、京子に会えなくて寂しいので気を紛らわすために毎週作ったそうだ。言っていなかったが、姉は極度のシスコンである。
少し恥ずかしそうにそう話した。

それでは気が済まなくて、姉は自宅とカイロを繋ぐワープホールを作ったそうだ。
京子「じゃあ、どうして私が行く前に言ってくれなかったの?」
姉「それは、京子に自分の力で辿り着いて、いろんなものを見せたかったからなの」
京子「もう! お姉ちゃんったら、お姉ちゃんなんだから!」
京子「ポコポコポコ」
それから、しばらく旅行話をして、久しぶりに2人で一緒に寝ました。
